📋 目次
📖 この記事でわかること
- ✅ 引き寄せの法則の正体がわかる
- ✅ スピリチュアルにハマる心理メカニズムがわかる
- ✅ 神秘体験が起きる科学的な理由がわかる
「ポジティブに願えば、願いは叶う」——そんな言葉を聞いたことはありませんか?
引き寄せの法則。恋愛、お金、仕事……あらゆる悩みを抱えた人が一度は検索したことがあるかもしれません。
今回紹介するのは、『引き寄せの法則を全部やったら効きすぎて人生バグりかけた話』という本。オカルト系メディアの編集者・住吉さんが、引き寄せにまつわるセミナーやグッズを片っ端から体験しまくった記録です。
「スピリチュアル本でしょ?」と思ったあなた、ちょっと待ってください。この本、スピリチュアルに興味がない人ほど面白く読めるという不思議な一冊なんです。
この本が他のスピリチュアル本と決定的に違う3つのポイント
まず、この本がなぜ「怪しくない」と言えるのか。普通のスピリチュアル本とは決定的に違う3つのポイントがあります。
- 著者自身が「スピリチュアルは危ない」と注意喚起している
- 精神世界への旅を「冒険記・旅本」として読める
- 最終的に、誰もが心を動かされる”宇宙からのメッセージ”にたどり着く
特に1つ目が重要です。住吉さんは高額セミナーに通い、あらゆる神秘体験をした当事者でありながら、「騙される可能性がある」「ハマること自体が危険」と冷静に書いています。
タバコを吸ったことがない人が「タバコは体に悪い」と言うのとはわけが違う。どっぷり浸かった人間が、それでも「気をつけろ」と言っている。ここに圧倒的な誠実さがあります。
そもそも「引き寄せの法則」とは何なのか
引き寄せの法則とは、ざっくり言えばこういう考え方です。
キリスト教の異端から派生したとも言われ、スピリチュアル的な分野から生まれた概念です。ビジネスの文脈でも「成功したいと強く願えば仕事がうまくいく」という形で浸透しています。
ただ、冷静に考えると「願えば叶う」って、半分は当たり前なんですよね。強い願いを持っていれば、チャンスが来たときに「これだ」と気づける。それだけのことでもある。
でも、この本はそんな常識的な話では終わりません。住吉さんは実際にセミナーに通い、グッズを買い、脳波を整え、チャクラを解放し——ありとあらゆることを体当たりで試していきます。
スピリチュアルに冷めていた編集者が「ガチ」になった瞬間
住吉さんは元々、雑誌の編集者としてスピリチュアル関連の記事を手がけていました。取材した分野は、ヒーリング、オーラソーマ、レイキ、チャネリング、エネルギーワーク……挙げきれないほど。
しかし当時の住吉さんのスタンスはこうでした。
「スピリチュアルは、現実世界で戦えない愚かな人が最後にしがみつく救済措置」——かなり辛辣なレッテルを貼っていた。
同僚の多くもネタとして距離を取りながら記事を作っていたそうです。
ところが、あるとき住吉さんは「シータヒーリング」に出会います。脳波をシータ波(眠り始めや集中時に出る脳波)の状態に戻し、潜在意識を書き換えることで理想の現実を引き寄せるというもの。
講師の案内に沿って5〜6人で円を描くように座り、チャクラ瞑想をしていたとき——住吉さんの視界の奥に、ふにゃふにゃしたゼリーのような塊が見えた。
その直後、講師が言った。
「7色に輝くゼリー状のものが見えてきますよ」
先生が言う前に見えていた。これは説明がつかない。住吉さんは「ガチじゃん」と衝撃を受けてしまいます。
「神秘体験」は本当に神秘なのか?脳科学の視点
ここで重要な補足があります。
実はこの手の「神秘体験」は、脳の構造上、起きて当たり前のことなんです。
断食したり、何時間も瞑想を続けたりすれば、脳は通常と異なる状態になります。聞こえないものが聞こえ、見えないものが見える。これは脳のバグのようなものであって、オカルトではありません。
禅宗の修行でも有名な言葉があります。
瞑想中に仏が見えても、それは本物の仏ではない。脳がそういうものを見せているだけ。禅の先達はそれを知っていたからこそ「殺せ(無視しろ)」と教えた。
オウム真理教の信者にも科学者が多かったのは有名な話です。彼らが信じてしまった理由のひとつは、瞑想で実際に神秘体験をしてしまったから。「科学で説明のつかない世界がある」と実体験として感じてしまった。
だからこそ、住吉さんのこのスタンスが光ります。
- スピリチュアルな「世界」があるとは信じない
- でもスピリチュアルな「体験」はある。脳の構造がそうだから
- 「絶対にない」と決めつけるのも危険。体験した瞬間に一気にハマるから
住吉さんの誠実すぎる”注意書き”が面白い
この本の独特な魅力は、すごい体験をした直後に冷水を浴びせるような注意書きが入ることです。
シータヒーリングで衝撃的なゼリーが見えた!感動!……のすぐ後にこう書かれています。
「米国裁判で、創始者バイアナ・スタイバルがヒーリングによって克服したはずの自分の癌の記録を証明できず、詐欺の有罪判決を受けて賠償金の支払いを命じられた。さらに資格がないのに自然療法を名乗っていた虚偽まで指摘されている。セミナーの料金が高いことでも知られ、本部からお金の匂いがするのが難点。」
「うわぁすごい体験した!」の直後に「はい、詐欺で訴えられてますので気をつけてください」。
自分で乗ってきたテンションを自分で止める。この独特のノリが、この本をただのスピリチュアル本ではなく、信頼できる冒険記にしているのです。
なぜ人はスピリチュアルにハマるのか?——「自分探し」という人間の宿命
住吉さんがなぜここまで引き寄せの法則に体当たりしたのか。その理由は、「自分の人生をどうしていけばいいかわからない」という根源的な悩みがあったからです。
よく考えると、これは人間特有の問題です。
人間は本能を失った生き物であり、「ただ生きる」ことができない。目指すものがないと生きられない。だからこそ、スピリチュアルが「生きる意味」を与えてくれるなら、ハマる人がいるのは当然のことです。
かつての民族社会で宗教が果たした役割もまさにこれ。迷信と呼ばれるようなものを信じている人に対して「バカだ」と言うのは、ちょっと違う。人間には「意味」が必要で、その供給源のひとつがスピリチュアルだったというだけの話です。
この本は「精神世界への旅本」である
旅本や冒険記の本質は何か。抽象化するとこうなります。
- 普通の人が見られない景色を見てくる
- その体験を僕らに伝えてくれる
- 読者は追体験を通じて世界の見え方が変わる
この本は、旅する先が秘境ではなく「精神世界」であるという点に目をつぶれば、まさに旅本です。裏社会ルポのような読み応えがあります。
しかも、ガチの旅もしています。住吉さんは南米のジャングルに赴き、「アヤワスカ」というお茶を飲んでトリップ体験をするという、体を張った章もあるのです。
スピリチュアルの全体験に共通する「たった1つの原理」
住吉さんが体験したヒーリング、瞑想、エネルギーワーク……名前はバラバラですが、読んでいくと全部同じ原理だと気づきます。
ヨガも瞑想もチャクラも、結局やろうとしていることは同じ。社会の中で歪んでしまった自分を一度「無」に戻して、本当に求めるものに向き合い直す。手法が違うだけで、ゴールは共通しています。
「引き寄せの法則は全部インチキだ」と決めつける。体験した瞬間に一気にハマるリスクがある。
「神秘体験は脳の構造上起きるもの」と理解した上で、自分にとって本当に必要なものを冷静に見極める。
引き寄せの法則から学べる、本当に大切なこと
スピリチュアルを信じるかどうかは個人の自由です。でもこの本から学べることは、スピリチュアルの真偽とは別のところにあります。
- 人間は「意味」がないと生きられない生き物である
- 瞑想や断食で神秘体験が起きるのは脳の構造上当たり前
- 高額セミナーや商品に大金を注ぎ込むのは絶対にやめるべき
- 「ハマること自体」が危険——詐欺でなくても依存は人生を壊す
- あらゆるスピリチュアル体験の本質は「自分をリセットすること」
住吉さんがあらゆる引き寄せの法則を試した末にたどり着いた結論は、宇宙の壮大な話でありながら、同時にとてもシンプルで人間的なものだったといいます。
スピリチュアルの世界に興味がなくても、「自分はどう生きていけばいいのか」という問いを持ったことがある人なら、必ず何かを受け取れる本です。
「自分は今、何に”意味”を求めているか?」を5分だけ静かに考えてみよう。
高額な何かに頼る前に、自分の内側に答えのヒントがあるかもしれない。
「引き寄せの法則って知ってる?あれ全部試した人の本があるんだけどさ、瞑想してたらマジでゼリーみたいなのが見えたらしいのよ。でもそれ、脳の構造上そうなるだけで禅宗でも『仏が見えたら殺せ』って言うくらい当たり前のことなんだって。しかもその本、すごい体験を書いた直後に『はい、これ詐欺で訴えられてます』って注意書き入るの。このテンションの上げ下げが最高に面白いんだよ。」


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