📋 目次
📖 この記事でわかること
- ✅ インド民の驚くべき合理的思考法がわかる
- ✅ 真面目すぎて消耗する働き方から抜け出すヒントが得られる
- ✅ 日本人の時間感覚や責任感の正体がわかる
「引き継ぎ資料、完璧に作らなきゃ」「遅刻は絶対ダメ」「人に迷惑をかけちゃいけない」──そんなふうに自分を縛って、仕事で消耗していませんか?
今回紹介するのは、インド麦茶(著)『インド人は悩まない』。タイトルからしてツッコミどころ満載ですが、中身は意外としっかりしています。
著者はインド駐在の日本人ビジネスパーソン。10年以上インドでプロジェクトに関わり、インドの人たちにイライラし続けた末にたどり着いた結論が詰まった一冊です。
この本は「インドを見習おう」本ではない
よくある海外文化礼賛本だと思ったら、まったく違いました。
「フランス人は服を何着しか持たない」のような「この国の思考をインストールしましょう」系ではありません。
著者はずっとインドの人にイライラしています。「クソ野郎」という言葉が何度も出てきます。
つまり、憎しみ8:リスペクト2くらいの温度感で、それでも「こいつらのこういうところだけはいいんだよな…」としぶしぶ認めている。そんな本です。
- インドをそのまま真似しろとは書いていない(むしろ「真似するな」と書いてある)
- 日本人は繊細すぎるので、インド民の図太さを部分的に取り入れようという趣旨
- 「インド民」=国籍ではなく、一般的なインドっぽい精神性を持つ人の象徴
- 著者自身も冒頭で「インド人を一括りにするのは良くない」とちゃんと断っている
指定席エピソードに見る「図太さ」の正体
著者がインドで指定席の電車に乗ったら、自分の席に他人が座っていたそうです。
「そこ、私の席ですよ」と言うと、相手はまったく悪びれない。
「ああ、そう。でも俺の席が空いてるはずだから、君はそっちに座ればいいだろう」
なぜかこっちが悪いみたいな空気にされる。
景色がいいから勝手に座った。それだけの理由。こちらがグチグチ言うと「お前いつまで言ってんだ」という態度。
もちろんこれを日本でそのままやったら社会で生きていけません。ただ、この「悪びれなさ」「切り替えの早さ」は、真面目すぎて消耗している日本人にとって一種のショック療法になる──それがこの本の主張です。
インド民は合理的すぎる──引き継ぎをしない理由
インドの人は転職時の引き継ぎをほぼやらないそうです。
理由はシンプル。引き継ぎをどんなに頑張っても、転職先での評価に関係ないから。
冷静に考えると、確かにそうなんですよね。引き継ぎ資料を必死に作っても、次の職場は一切見ていない。「立つ鳥跡を濁さず」は美しい精神ですが、自分の得にはならない。
インド民の行動原理は極めてシンプルです。
- 自分に得になることはちゃんとやる
- 得にならないことはやらない
もちろん全員がそうではありません。「関西人は全員ボケツッコミする」わけじゃないのと同じレベルの話です。でも傾向として、インド民は合理性を徹底している。
日本人の「時間に正確」は実は最近の話
インド民は基本的に1時間くらい遅刻してくるそうです。
「時間にルーズだな」と思いますよね。でも実は、日本人がここまで時間に正確になったのは、鉄道の普及がきっかけだったという説があります。
鉄道が敷かれた当初は、日本の列車も好き勝手に運行していました。9時発のはずが9時半になっても出ない、なんてことが普通だった。
そこに「時間を守らないと他人に迷惑がかかる」という論理が生まれた。「他人に迷惑をかけてはいけない」という日本人のスイッチが入り、一気に時間感覚が変わったのです。
エアコン修理に見るインドの「超・分業制」
著者が書いたエアコン修理のエピソードが最高に面白いです。
インドでは家電がめちゃくちゃ壊れるので、毎週のように修理を頼むそう。
- 14時に修理を頼む → まず1時間遅れて15時に来る
- 来たやつが手ぶら
- カバーを開けてゴソゴソ30分〜1時間やった末に「これ壊れてるんで修理必要っす」
- 修理する人じゃなく、修理が必要か確認する人だった
- 修理する人をまた呼んで、そいつがさらに1時間後に来る
- 14時に始まったはずが、18時までかかる
しかもインドのお金持ちは、家電修理の対応すら自分でやりません。使用人を「家電修理対応係」として1日アサインし、そいつに全部やらせる。
自分で修理業者を待ってイライラしている時点で、インド的にはナンセンスなのです。
インドでは下請け文化がすさまじく、オフィスビルの清掃を発注すると、受けた会社がフロアごとに再発注し、さらにそこが部屋ごとに再発注する。日本人1人でやる仕事が、インドでは12人になることもあるそうです。
この本が刺さるのは「真面目すぎて消耗している人」
まとめると、この本の核心はこうです。
- インド民をそのまま真似したら日本社会では生きていけない
- でも日本人は繊細すぎて、自分を追い込みすぎている
- インド民の極端な合理性・図太さを「部分的に」取り入れることで、明日がちょっと楽になる
- それが著者の言う「ショック療法」
引き継ぎを完璧にしなきゃ。1分も遅刻しちゃいけない。人に迷惑をかけてはいけない──。
そんな真面目さが自分を苦しめているなら、インド民のぶっ飛んだエピソードを浴びてみてください。「あ、こんなに真面目じゃなくていいんだ」と思えるかもしれません。
引き継ぎ資料を完璧に作り込み、自分の時間を犠牲にして前の職場に尽くす。得にならないことに全力を注いで消耗する。
引き継ぎは最低限で十分。「自分の得になるか?」というフィルターを1つ持つだけで、無駄な消耗が激減する。
今抱えているタスクを1つ見て「これ、自分の得になるか?」と問いかけてみよう。答えがNoなら、手を抜く勇気を持つ。
「インドでエアコン修理頼むとさ、まず1時間遅れて手ぶらのやつが来るんだって。で、30分くらいゴソゴソやった後に『これ壊れてますね、修理必要です』って言うの。いや知ってるよ!ってなるじゃん。修理する人じゃなくて、壊れてるか確認する人がまず来るシステムなんだって。しかもインドの金持ちは修理業者を待つ係の人を雇うらしい。自分で待ってる時点で負けなんだよ。俺らも上司にイライラしてないで、イライラ対応係を雇いたいよね。」


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